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階層で異なる給料水準

階層で異なる水準

建設業界におけるピラミッド構造、つまり大手ゼネコンから中小企業、そして一人親方や個人事業主へと仕事が配分されていく仕組み。
それぞれの層で働く人たちの給料体系は一体どうなっているのでしょうか?
仕事の大元を握っている大手がもっとも給料が良い、と思われがちですが、単純にそう決めつけることはできません
単純な階層による違いの他、同じ建設業界の中でも様々な職種があり、それに応じて平均年収は大きく変わってくるからです。
細かく見ていきたいと思います。

職種による平均年収の違い

建設業の作業道具

職種で見て平均年収が高いのは、営業職や建築士などです。
営業職とは、工事の契約を取ることが主な仕事。
大手ゼネコンの営業職ともなれば、取り扱う工事の規模も大きくなり、それだけ腕の差が出やすくもなります。
大手ゼネコンで実力のある営業なら、年収は軽く1千万円を超えていくでしょう。

また、建築士もそれを生業とするには資格が必要で、こなせる人が単純に少ないという希少性から、平均年収はかなり高くなっています。
その他、マイナーなところでは採掘職など。
これは鉱石や天然ガスなどの地下資源を採掘する仕事のことですが、従事する人が少なくなり、危険性も高いことから手当も含めてかなりの高収入となっています。

次点で現場監督あたりが来るでしょうか。現場監督は主に元請け会社の社員が担います。
大きな工事現場であれば、大手ゼネコンの社員、ということです。
大きな会社に勤めるサラリーマンだけに、平均年収もそこそこ高いというわけです。
雇われの土木や塗装、電気工事などの作業員は、平均年収で言えば業界で低い方に分類されるでしょう。
ただし、独立して一人親方として働く職人の中には、階層で言えば末端であっても大手ゼネコン社員の数倍稼いでいる、という人もいます。
自分で受注した案件の報酬がそのまま自分の懐に入るため、サラリーマンの固定給の天井をはるかに飛び越えて稼ぐことも可能なのです。

末端だから給料が安いわけではない

給料を持つ作業員

ピラミッド構造の上に位置するほど給料が高い、とは一概には言えません。
もちろん、企業としての規模が大きい分、安定感はあるでしょう。
会社として受注が減ったからと言って、自分の給料が減ることも基本的にはありません。
下請けではそうはいきません。受注した案件の数、そして額がそのまま収入へと直結します。

そこで雇われている職人たちもそうです。 彼らの多くは、サラリーマンのような月給制度ではなく、「人工(にんく)」という概念で働き、日当でお金を稼いでいます。
1つの現場作業をこなすのに、〇人の手が必要、というのを「〇人工」という形で表現し、それをこなした数に応じて職人は日当をもらいます。
仮に一人で昼夜働き、2人工の現場を一人で納めれば、2人分の日当がもらえるわけです。
身体的にはもちろんきついですが、これを1カ月続ければ大手ゼネコン一般社員の月給などは簡単に超えるでしょう。
このことからも、単純に階層による所得の差は比較するのが難しいと言えます。

収入の上がり方に差が出る部分

建設業界に限らず他の職種にも共通して言えることですが、一般的に収入は

  • 経験(勤続年数)
  • 資格の有無
  • 雇用形態(正社員か非正規雇用か)

これらによって大きく変わってきます。
サラリーマンであれば勤続年数に応じて徐々に年収は上がりますし、非正規雇用で働く職人も経験や技術に応じてもらえる日当の額は上がります。
また、職種に関係する資格を持っているかどうかも、収入に影響する場合が多いです。
建築士の資格もその例と言えるでしょう。

そして基本的には、非正規雇用よりも正社員として働く方が、長期的に見ると収入は上げやすいと見てよいでしょう。
大手ゼネコンであれば、20代の新卒採用時点ではそこまでではなくとも、それが40代になれば倍以上になっているのが普通です。
職人として同じように雇われで働いていた場合、いくら20年分の経験があるからといって、ここまでの増額は見込めないでしょう。

全体的に平均年収は高い業界

ネクストステージ

結論としてまとめると、ピラミッドの上層に位置する大手企業社員は、より安定して高収入を得やすい
しかし、一概に下請けとして働く職人よりも絶対的に年収が高いとは限らない、となります。
大手ゼネコンの1社員ではなく、役員クラスともなれば、その収入はまた別次元となるでしょう。
このサイトで語られる成り上がりとは、要するにそういった位置を目指すことを意味します。

話は変わりますが、建設業界はここ数年ずっと好景気です。
東京オリンピックの影響もあり、2017年には多くの大手ゼネコンが過去最高益を叩き出し、その追い風はいまも吹き続けています。
こういった背景から、業界は常に人材を欲していますし、より多くのチャンスがあるのは明白です。
平均年収も高く仕事も多くある、まさにこれからチャレンジするのに最適な業界ですね。